どぶろくを自分の米で
〜「出羽燦々」に自信 レストランも開業〜
こだま工房のご主人、小玉雄一さんは「いつかは自分の米で酒を造ってみたい。」との思いから、2004年11月に酒造免許を取得しました。思い入れたっぷりの米を仕込んだどぶろくは、新たな町の特産品として注目を集めています。
「むらやま徳内まつり」で知られる村山市は、祭りに訪れる観光客に対し、農家民宿などでの地産地消を主体としたもてなしや物産の販売を進め、地域経済の活性化を図ろうと「まつり特区」を国に申請。2004年6月に認定を受けました。その中には、酒税法の特例が受けれらる通称「どぶろく特区」が含まれています。酒類を造る場合、年間最低製造量6千リットルという酒税法の規制がありましたが、特区内の民宿や飲食店などを営む農家で、自家製の米を使用し提供する場合に限り少量でも製造できるようになりました。
小玉さんは同市が特区に認定されたことから、どぶろく製造を申請。山形市の県工業技術センターで2ヶ月間の酒造りの研修を受け準備を進めてきました。
使用する米は、本県で開発した酒造米「出羽燦々」。小玉さんはこの米を10年以上栽培してきました。「この米はまだ名前が付けられていない時から栽培してきましたが、酒を造るのにこれほど適した米はありません。」米は60%まで精米。使用する麹(こうじ)も自家製と徹底しています。
どぶろくの良しあしを左右するのが、醸造段階での温度管理です。既製の温度調節機能を備えた設備は高額に及ぶことから、なんと自宅の施設内に製造所を建設!そして米の貯蔵庫として使っていた冷蔵庫の床にホットカーペットを敷き、温度調節が可能な醸造室を作ったそうです。
2004年11月に初仕込みを行い、その後の試飲会での評判は上々。年間600リットルを製造する予定です。同年12月下旬にはどぶろくのほかに、杵つき餅やぶりだいこん、牛もつの煮込みなど素朴な田舎料理が味わえる完全予約制の農家レストランもオープンしました。
「のど越しと、吟醸酒に似た深い香りが特徴です。ぜひ味わってください!」 |